東京都立永山高校でキャリア教育ワークショップ「キャリアダイアログ2022」を実施しました。(2022.3.10)
2022年3月7日、都立永山高校でキャリアワークショップ「キャリアダイアログ」を実施しました。このプログラムは大学生と高校生が対話を通して、大学進学はもちろん進路やこれからのキャリア観について考えていくものです。
2018年度に実施してから、毎年オファーをいただきながらもコロナの影響により2年間実施できずにいた本プログラム。2年のブラッシュアップ期間を経て遂に実現しました。
今年度は、前回実施後の先生方からのフィードバックをもとに大幅にプログラムを変更。大学生から大学の話を聞くことよりも、高校生の興味関心をスタートに、それを大学の学びに紐づけることを主目的にしました。また、前回はワークショップの進行を社会人ファシリテーターが行っていたものを、大学生が行うことで、より距離感を近くし、対話が促せられるようにしています。
5時間目と6時間目の2コマを使っての実施のうち、1コマ目はワークシートを用いて、各々の興味関心(好きなものワクワクするもの)を言語化し、それらと大学の学部を紐づけていきます。また、大学の学びはその先にこそ紐づくことを意識してもらうため、卒業後の仕事についても考えました。
「好き」を言語化することやそれらを学びに紐づける作業は生徒によっては少し難しく感じ、ペンが進まない様子が見て取れましたが、大学生との対話やアドバイスによりシートがどんどん埋まっていく様子が印象的に映りました。他者、特に近しい世代の人の対話やそこから得られるちょっとした一言は生徒たちの想いや考えを、どんどん具現化できたようです。
続く第2部では、大学に多少なりとも意識が向いた段階で、「じゃあそんな大学ってどういうところなんだろう?」と言う興味に応えるために、大学生たちからの脚色されない大学生活について聴いてみます。
普段、大学ではどういう生活を送っているのか、なぜその学部を選んだのか、そもそも高校生の頃はどんな生徒だったのか……など少し先を歩く先輩たちの実体験はリアリティを持って、生徒たちに伝わったようでした。
実施後の高校生たちの感想には、「勉強が苦手だから元々大学進学は考えてもいなかったけど、今日の話を聞いて選択肢の一つにしたいと思った」「好きなことを突き詰めるような大学の勉強はこれまでの勉強とは違っておもしろそうに感じた」「これまで思っていた大学とはイメージが違って、大学生が楽しそうに大学のことを話しているのが印象に残った」などポジティブな意見が多くみられました。
また、何より多かったのが、「高校卒業後は専門学校進学しか考えていなかったけど、今日の話を聞いて大学も候補の一つにしようと思った」というコメントが多かったのが特に印象的でした。
もちろん家庭事情や、学びたい内容によっては、専門学校や短期大学の方が適しているといった場合もあります。しかし、選択する際に「知っている」と「知らない」のでは選択する理由に大きな違いが出てしまいます。その意味では生徒たちに新しい視点を伝えることができたのではないかと考えています。
このワークショップ実施には、先生方からのフィードバックや事前のさまざまな準備、現場でのご協力があってこその実現でした。改めて御礼申し上げます。そして何より大学生たちの力によるところが大変大きいです。どうもありがとう!